日本文化「布草履」を泉州から世界へ!
布草履作家 dontokoi(どんとこい)札野 美紀さん
2019年より布草履作家としての活動をスタートした「dontokoi(どんとこい)」 札野美紀さん。
お部屋に馴染むシンプルデザインをコンセプトに、
土台から一つひとつ心を込めて手作業で編み上げる「布草履」を、泉州から世界へ!
大きな夢に邁進中だ。
布草履作家になるきっかけは、
「自分の布草履が欲しい!」 と思ったのがはじまりだと教えてくれた。
「当時、習っていた陶芸の先生が、布草履を作ったことがあると言っていたので、
私も作りたいって言ったら1冊の雑誌を渡されて。それを見ながら、自分でやってみようって」
その時、渡されたのは「布草履」という雑誌。
そこに編み方が載っていて、それを見ながら初めて作り出したという。
今は、一足3時間くらいで編み上げることができるが、当時はすごく時間がかかったそう。
草履は左右2つで一足。
1つを編み上げたとき、とても感動したらしいが…
「もう片一方が、まったく同じものできなくて…。もぉ~意地になりましたよね(笑)
左右できちんと同じものが作りたくて、解いては編み直すを繰り返しました。
そして、めでたく出来た一足目は、しこたま履いて、履きつぶしましたよ(笑)」
と、当時のエピソードを笑顔で話してくれた。
布草履を履きだしてから、なんとなく体調に変化を感じたという札野さん。
「日頃、歩いたら右寄りな感じがあって、歩行バランスが悪いのは自分でもわかっていたんです。
だからヨガを習ったり、体操とかしたりしていたんですけど。
スリッパの代りにルームシューズとして布草履を履いて、家事などをしているなかで、
鼻緒を掴んで歩くことで、足指力が鍛えられ、しっかり歩けているなという感じはありました」。
そんな自らの体験から、さらに布草履に魅了され、
医学療法士のもとで「足と健康」について勉強中だそう。
医学療法士の先生曰く「この布草履は、※アーシングできるね」と言われたそう。
※アーシング=大地や海などの自然に素足や素手で触れることで、地球=アース(earth)とつながること。
「つまり、大地のエネルギーを感じる事が出来る、地面との繋がりを感じる事ができる。
足の裏からの情報って、体にすごく良い影響があるそうで、
裸足で布草履を履くのがとても良いって言ってくださいました。
できたら、靴下を履かずに素足で履いて欲しいですが、
足元が冷えたらダメなので、5本指ソックスのような鼻緒部分が割れている靴下を履いてくださいね」。
「鼻緒タテを中心に意識して履くことで、正しい歩行に導く」
「普段窮屈になっている足指の開放し、足元から健康になる」など、
「dontokoi」では、普段から鼻緒のある<はきもの>を履くことで、
自然と足指力を鍛える事ができ、足指力を鍛えて転倒しない身体づくりを推奨している。
正しい歩行や、足元からの健康にもひと役買ってくれそうな「布草履」。
札野さんに手作りならではのこだわりポイントを伺った。
「まず、鼻緒タテは革製品を使用しています。
最初、素材は布で、裏の処理も今と全然違ったんです。お客様の声を聞かせていただいた時、
鼻緒タテのところが毎日履いている間に擦れて切れるって言われて、それは申し訳ないなって。
切れないようにする為に処理を変えて、鼻緒タテ自体も、もっとアレンジしたいと思い、
今の本革を使った鼻緒タテになりました。
いろんな方のアドバイスで、お手入れできる革を使用し、『水洗いできますが、革製品を使っているので革専用のオイルでお手入れすることをお勧めします』とお伝えしています」。
布草履の素材は、大阪市内(船場)から仕入れている。
直接肌に触れたりする部分なので、きちんと目で見て厳選。
収縮性のために何パーセントかはナイロンが入っているが、できるだけ綿に近く、お肌に優しい、
よりナチュラルな素材にこだわってセレクトしているそう。
編み方を見せてくれながら、
「編むのはめちゃ楽しい!自分が作ったものを履けるのも嬉しい!
カラダに良いし、こんな面白い履き物はないです。
それが日本の文化じゃないですか。日本の文化を海外へ伝えたい。
海外の方にもルームシューズとしてぜひ履いて欲しいです!」 と、最後に笑顔で話してくれた。
【布草履作家 dontokoi(どんとこい)札野 美紀】
大阪府泉大津市出身、2019年より布草履作家として活動スタート。海外の方へ向けて、日本の文化を発信できるよう、Instagram(https://www.instagram.com/dontokoi40/)で布草履を紹介し、マルシェ出店等でも販売。2023年11月には泉大津市ふるさと納税返礼品に登録された。つま先から土踏まずくらいまで(踵の部分ない)の、昔から履かれている「足半(あしなか)草履」の製作体験、ワークショップもイベント等にて実施。泉大津市あしゆびプロジェクトモフ草履アンバサダー活動「モフ草履講習会」では、生徒に泉大津の毛布のヘリを使ったモフ草履作りを教えている。屋号「dontokoi」は、「どんとこい!」と言える人になりたいという気持ちでネーミング。現在、ガレージをDIYして『dontokoi.base』布草履の工房・アトリエを建設中。
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